ダイエットは正しい食事療法から

ダイエットの条件

 ダイエットとは肥満の予防や治療に有効な食事療法のことをいいます。肥満とは体脂肪過多症のことで、体脂肪の過剰蓄積による健康障害や、体形が美容上不適正だと考えられる場合にダイエットが必要になります。現在のダイエットブームは、やせればやせるほど健康で美しくなれるといった「やせ志向社会」の産物ということができ、実に多種多様なダイエットが世に出回っていますが、なかには明らかに効果がないもの、利用することで健康障害を起こすものもあります。
 肥満の予防とは摂取エネルギーが消費エネルギーを上回らないこと、治療は摂取エネルギーを制限しながらすべての栄養素の必要量を確保していくことが原則となります。
 これに相反したり、原則を維持することができないダイエットは、不適正な方法と判定できます。

正しい食事療法

体重コントロール 無理のない減量とは、一ケ月に1~2kg程度の体重減少にとどめること。毎日朝食前に体重を測定して調節します。体重が減少しなければ、現在の食事量を更1~2割少なくし、体重の減少が著しい場合は、食事の量を増やします。長期の体重コントロールのため、飽きない方法であることも大切です。
 更に、すべての栄養素が必要量を満たしていることです。たんぱく質は一日に70~80gを確保します。一日に魚一切れ、卵一個、豆腐3分の1丁、肉を70~80gとることを目安にします。糖質は、毎食ご飯を約150g(軽く一ぜん)食べます。脂質は大さじ1杯の調味油でとり、各種ビタミン、ミネラル、食物繊維は必要量を満たすために毎食野菜料理(特に緑黄色野菜)を食べ、毎日牛乳一本と果物一個(150g前後) をとるようにします。
 以上の食事を一日三回規則正しく、ゆっくりとよくかんでとり積極的に体を動かせば、特別なダイエット法やダイエット食品を利用しなくてもやせることができます。
甘い菓子類制限

ダイエットに有効な食品

 ダイエットをいざ実践すると次のような問題が生じます。
 食事量が減少するため、常に空腹感を覚える。
 いくつかの栄養素が不足または欠乏する。
 甘い菓子類や脂っこい料理、アルコール飲料などの制限を受け、し好的な満足が得られなくなる。
 宴会、外食、旅行などの機会が少なくなり他人とのコミュニケーションがとれなくなる。
ダイエットに有効な食品 これらの問題を解決するための補助手段として、ダイエット食品を利用します。
には食物繊維の含有量が多く満腹感の得られる低カロリー食品を、
にはたんばく質、ビタミン、ミネラルなど補給食品を活用し、
には低カロリーやノンカロリーの甘味料、油脂食品などでダイエット中のし好を満足させ、
には低カロリーの加工食品やメニューがある店での外食をお勧めします。
ダイエットに有効な食品 飲んだり食べたりするだけで体脂肪を溶かしてやせられるという話には全く論拠はありません。ある特定のダイエット食品だけで健康的にやせることは不可能なのです。食欲抑制剤やエネルギー代謝亢進剤などが混入されている商品も注意が必要です。
 本来の食事療法の在り方を考えた適正なダイエットをすることが大切です。 
国民生活センター 『くらしの豆知識99』より





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