物忘れは50代ですでに意識され、60代になれば固有名詞を想い出せず「あれ、これ」で済ます事が多くなる。
物忘れが高じるとボケ(痴呆)になるのではないかと心配にもなる。しかし、脳の働きが加齢で変化するにしても、知能やさまざまな高次脳機能が一様に底下することはない。
年をとるとよく知っているはずの名前がとっさに思い出せない事が起こる。後で何かのはずみに思いつくので、記憶そのものが失われた訳ではない。ただ、“正常な物忘れ”は記憶再生の障害が出易くなっているサインとして受けとめなければならない。
(要旨 日本薬剤師会雑誌Vo1.55 03.7より)