ストレス社会と心身症

医者

 ストレスとは

 現代はストレス社会とよくいわれます。それでは、どんなことがストレスになり、どんな病気起こしているのでしょうか。ストレスとはそれに負けないために心身が踏ん張らなければならな状態を指しますが、そう自覚しているときには問題は少なく、意識していないときに病気になりすいものです。円形脱毛症はだれでもなりうるありふれた心身症ですが、その原因がすぐ思いあたることは少なく、あれこれ考えて、やっとあれが原因だったと分かる場合がほとんどです。

 職場のストレス

G心身症1 ストレスを生み出すのは、職場では異動などです。それまで慣れ親しんできたものから離れて、不馴れな環境でスタートしなければならないときに多いのですが、昨今のリストラで職を失った際に深刻になるのはいうまでもありません。職場の人間関係も、特に女性の場合には強いストレスになります。上司との人間関係は男女とも重要ですが、同僚との人間関係は特に女性で問題となります。仕事の難しさや量の多さももちろん関係しますが、上司に命令されて受け身でやるか、主体的に取り組むかで大きく違ってきます。前者のほうがもちろんストレスは多くなります。

 家庭のストレス

 女性は特に、家庭、近隣の問題がストレスになりやすい特徴があります。夫婦間の関係や近隣との人間関係、さらには子育てや子どもが大きくなっていくにしたがって、親の意に反する言動が多くなることなどです。また、本人や家族の病気、近親者との死別、子どもの自立なども、男女を問わず大きなストレス因子になります。人間のストレスを生み出すのは人間であるというのは、まさに、真実のようです。G心身症2.gif

 ストレスが関係する病気

 ストレスが心身の病気に広く関係することが分かってきていますが、特に関係が深いのが心身症とうつ病です。うつ病は心の病に属すのに対して、病のうち、心理的影響を強く受けるものを意味します。うつ病と心身症の間にも関連がありますが、ここでは心身症についてだけ述べることにします。

 心身症にはどんな病気があるか

 先に述べた円形脱毛症は、高頻度に起こる心身症ですが、そのほか消化性潰瘍、高血圧、気管支喘息、糖尿病、偏頭痛などの一部、過敏性腸症候群、神経性頻尿、過食症、拒食症、過換気症候群などが代表的なものです。神経性頻尿以下の四つは心の病としても扱われるもので、心身症と心の病の関連の深さがこれからも分かります。

 心身症などのストレス

  による病気の予防法ストレスが強くなっても病気にならない人もいることから明らかなように、ストレスへの対処をうまくすることが病気にならない鍵となります。
 心身症になりやすい人は、疲労感や自分の感情を無視して突っ走る傾向がありますので、疲れたら休み、感情の発散、気分転換を心がけることが大切です。スポーツなどの趣味を持つことがよいのですが、仲間とほどよく飲んだり、おしゃべりしたり、テレビをみることもよいでしょう。そして、適度に自己主張し、仕事には主体的に取り組むことです。完壁主義もよくありません。




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