医薬品の品質に影響を及ぼす要因として一般に考えられるのは、温度、湿度、光、酸素(空気)などですが、それらが影響する程度は、保存条件、医薬品の性質や剤形などによって異なってきます。添付文書(説明書)にはそれらを考慮して保存方法が記載されてありますので、その指示を守っていただきたいと思います。
開封後の医薬品は、しっかり栓をして開封日を記載し、一般には冷暗所に一括保管するのが最もよいでしよう。
そのように保存して、有効期限または使用期限の記載のあるものについてはその期限内を、又、使用期限の記載のないものについては錠剤・散剤・カプセル剤・(小包装を開封していない)座薬であれば6ケ月~1年、内用液剤であれば10日前後、目薬であれば1ケ月前後を安全に使用できる期間の目安としていただきたいと思います。
それを過ぎたものはなるべく気がついたとき、破棄するようにして下さい。
何も1日過ぎたからといって、医薬品がだめになるわけではないので、もったいないと思われるかも知れませんが、医薬品を安心して使うためその方がよいでしよう。
又、そのような無駄をなくす為にもご購入の際には最小包装のものをお求めになることをお勧めします。
ただし、医師から処方された医薬品の期限についてはこの限りではありません。
薬を飲む必要がなくなった時点ですべて破棄していただきたいと思います。
配置期限と有効期限の違いは?
配置期限は配置業界が自主規制として設けた期限で、置き薬という(利用した後支払う)商法上必要とした規制で、商品の商品価値が無くなったとする期限です。勿論、薬の有効性も考慮して設定されています。
有効期限はその成分の有効性を保証した期限です。ただし、開封されないで添付文書に記載された条件下に保存した場合に品質が保証される期限を意味します。
配置期限内だが開封後1年以上経過した点眼剤の使用はどうか?
配置期限によって使用に耐える品質が保証されているのは、開封していない製品に対するものと考えていただきたいと思います。いったん開封してしまいますと、栓の締め具合いなどで空気中の雑菌等がどうしても容器中又は液中に入ってしまい、腐敗を起こしてしまうことがあります。
通常、しっかり栓をして冷蔵庫などの冷暗所に保存して、開封後1ケ月ぐらいが使用に耐える期間とお考え下さい。白濁していたり、異物が混入しているときはこの限りではありません。
その場合は直ちに使用を中止して下さい。
ご質問の点眼剤は1年を経過しているとのことですので、お使いにならない方がよろしいでしょう。