食品添加物の基礎知識

食品添加物とは

食品添加物 食品衛生法では、食品の製造過程で、または食品の加工、保存の目的で食品に添加したり混和したりして使用するものと定義されています。わが国では戦後、食品添加物(以下、添加物)の安全性確保のために世界に先駆けて指定制度をとりました。従来は、添加物として指定されなければ使用できない合成添加物と、ある程度自由に使用できる天然由来の添加物とに大きく分類されていましたが、1996年の法律改正により両者の区別がなくなり、現在ではすべての添加物が指定制となっており、全部で1350種ほどあります。

食品添加物の指定と削除

 厚生大臣の諮問機関である食品衛生調査会が次に示す考えに従って調査、審議をします。
(1)安全性が実証または確認されたもの
(2)有効性が次のいずれかに該当すること
①食品の栄養価を維持させるもの(強化剤等)
②特定の食事を必要とする消費者のための食品の製造に必要な成分などを供給するもの(甘味料等)
③食品の品質保持、安全性の向上、味覚や視覚刺激の特性を改善するもの(保存料、調味料等)
④食品の製造、調理、運搬などの過程で補助的な役割を果たすもの(製造用剤、乳化剤等)
 一方、使用によって医療効果を目的とする場合や、食品の特性や品質を変化させて消費者を欺まんするような場合は指定されません。指定されたものでも最新の科学に基づいて繰り返し安全性が検討されています。安全性に疑義が生じたり、安全であっても必要性が乏しくなつた場合には、指定が取り消されます。

食品添加物の種類、用途、品質

 添加物を用途で分類すると次のようになります。
(1)食品の製造、加工に必要なもの
 ふくらし粉 (リン酸塩、炭酸塩)、品質改良剤(エリソルビン酸、d-マンニトール)
(2)食品の栄養価を維持強化させるもの
 栄養強化剤(鉄塩、ビタミン、アミノ酸)
(3)食品の腐敗、変敗、化学変化を防ぐもの
 保存料(安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル)
 酸化防止剤(アスコルビン酸、BHT)
(4)感覚刺激特性を向上させるもの
 着色料 (食用黄色四号、ベニバナ色素、カラメル)、甘味料(サッカリンナトリウム、アスパルテーム)
食品添加物の安全性確保

食品添加物の安全性確保

 添加物に指定する際に最も重要なことは安全性です。そのために亜急性・慢性毒性試験、更に発がん性、催奇形性、繁殖、突然変異性などの試験が行われ安全性が評価されます。その結果を人間に読み替えるために最大無作用量の一〇分の一、更に個人差を考慮してまたその一〇分の一を、一日摂取許容量(ADI)とします。安全性が確認されると、その物質の純度や品質を確保するために規格が、過剰使用を避けるために使用基準が定められ、摂取量がADIよりずっと少なくなるように配慮します。既存の添加物も同様の検査が繰り返し行われます。添加物を使用した食品は保健所で、また輸入食品は検疫所で検査、指導、取り締まりが行われています。

使用された添加物の表示

 添加物を使用した食品は表示義務があり、購入するとき添加物の表示に添加物の使用の有無と種類を知ることができます。保存科、甘味料、着色料等では用途名と物質名、例えば「保存料(ソルビン酸K)」 のように表示されています。(Kはカリウム)。せっかくの情報ですからおおいに参考にしたいもじのです。
  
国民生活センター『くらしの豆知識99』より





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