栄養バランスのとれた食生活

☆若年層で栄養バランスが崩れてきた
 食生活が豊かになっている半面、栄養バランスが崩れている人が増えているようです。
バランス 全体的にカルシウム不足の傾向が続き、その不足は若い層で目立っています。また、若い女性では鉄不足の人も大勢います。二〇歳代の男性は三人に一人、女性は五人に一人が朝食を抜いており、カルシウム、鉄不足はこうした不規則な食事に起因していると考えられます。これに無理なダイエットやし好品への過度の依存が加わって、いっそう栄養バランスを損なっているものと思われます。
☆心配される脂肪摂取増
 エネルギー摂取量のなかで脂質の占める比率が年々増えています。適正比率の二五%をすでに超え、二、三〇歳代では平均三〇%近くなっています。食生活の洋風化が進んでいるためで、米飯などの穀類食物をこれ以上減らさないようにすることが、栄養バランスを保つためには非常に大切なことになってきています。
脂肪摂取増 食塩接取量も最近増える傾向にあり、高塩分加工食品の利用が増え、外食化が更に進んでいることがその原因と考えられます。アルコール飲料の摂取増加も、高塩分食、高脂肪食に拍車をかけている可能性があります。
☆食物をグループに分けてみる
 栄養バランスの基本は種類の異なる食物を取り合わせて食べる、ということに尽きます。そのために厚生省でも少数の食品に偏らないように一目三〇食品の接取を勧めています。これを実行しやすくするためには、とにかく食物をグループに分類してみることが早道です。それぞれから満遍(まんべん)なく摂取するようにすればよいわけです。
30食品の接取 例えば、食物を動物性と植物性と二群に分けます。時間がなくて急いでいるときでも、植物性食物と動物性食物を必ず取り合わせるように心掛けることが大切です。
☆バランスのよい食事
 主食、主菜、副菜の三群に分けて取り合わせるようにすれば、栄養バランスのよい食事になります。主食はご飯、パン、めんなどの穀類食物、主菜は肉、魚、卵などの動物性食物、副菜は野菜などの植物性食物です。こうすれば個々の食材の栄養成分を気にしなくても栄養バランスはだいたい確保されるものです。三群に牛乳を付け加えて四群とすればバランスは完全になります。普段の食材に多少の偏りがあっても、栄養的にオールマイティーに近い牛乳がカバーしてくれるからです。
☆丸ごと食べる
 ちょっとした注意として、一つの食材はこれを出来るだけ丸ごと食べるようにすることです。小型魚では骨や内臓まで食べる、大根なら葉も利用する、といった具合です。食材は部位によって栄養素の組成が違っているからです。
朝食は王様のように☆食事のタイミンクも大切
 ところで、就寝直前の食事や一日二食の「まとめ食い」は肥満を招きやすいことが分かっています。ま
た、健康のためには「朝食は王様のように、昼食は王子のように、夕食は貧者のように」という格言があります。一日のなかで「食事の時間配分」も栄養バランスにとっては非常に大切です。
国民生活センター『くらしの豆知識99』より






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