怖い腎臓病“腎不全”

腎機能低下で生命の危機に

 腎不全とは腎臓の機能が低下した状態であり、放置すると生命にかかわりますので、早急な治療が必要となります。一、二日から数週間の間に腎臓の機能が急激に低下する急性腎不全と初期症状がないため、気がつかないうちに、ゆつくりと年単位で進行する慢性腎不全とがあります。
 腎臓は、私たちが生きていくうえで、重要な役割を担っています。その腎臓の働きはというと、老廃物を体外へ排泄、体液成分を一定に保つなどです。

急性腎不全

★急性腎不全の特徴として、適切な治療で腎機能を回復することができます。

 特徴① 回復の可能性がある
 慢性腎不全で透析療法が必要になるまで腎臓が悪くなっていれば回復の可能性はありません。しかし、急性腎不全の場合、適切な治療を速やかに行うことで、回復する可能性があります。
 特徴② 腎機能の低下速度が速い
 腎臓の機能が数日から数週間ほどで急激に悪化します。発症からわずか数日で腎臓の機能が10%以下に低下し、透析療法をしなければならない状態にまで陥ってしまいます。
 特徴③ 外傷などによる原因
 外傷などによる大量出血や薬物による腎臓の障害などが原因となることが多い。
 糖尿病・慢性腎炎・腎硬化症などの病気が原因で急性腎不全が発症することはほとんどありません。

慢性腎不全

★特徴としては、初期症状がなく、気がつかない間に進行していることがあります。

 特徴① 腎機能が回復することはほとんどない
 回復する可能性が低く、腎不全を進行させないことが治療の目的となります。
 特徴② 腎機能が徐々に低下
 慢性腎不全では腎臓の機能が長い年月を重ねて徐々に低下していきます。
 初期症状もなく、腎機能が約50%以下になるまで自覚症状がありません。
 特徴③ 糖尿病性腎症と慢性腎炎によるものが多い
 原因として、糖尿病性腎症・慢性腎炎・腎硬化症などがあります。他にも原因となる病気はありますが糖尿病性腎症と慢性腎炎によるものが最も多く、全体の約7割を占めています。
腎臓のしくみ

腎臓のしくみ

 腎臓は尿をつくって、体の内部環境を一定に保つ重要な役割をしています。血液を浄化し、老廃物を尿として排泄します。まず、肺から取り入れた酸素と消化管から吸収した栄養は、血液に取り入れられ、全身の細胞に行きわたります。その時に老廃物と炭酸ガスを受け取り、腎臓で血液を濾過し、老廃物を排泄します。
急性腎不全の場合



 外傷などが原因で腎機能低下。その後、透析療法を行い腎機能回復。食事療法や薬物療法を行っても、効果がないことがしばしばあるので数日間の透析療法を行います。このように透析療法が必要になる場合は、医師によく相談して受けるようにしましょう。

慢性腎不全の経過

 タンバタ尿により発見され、徐々に腎機能低下。回復が難しいため、食事療法・薬物療法で低下を遅らせます。
 食事療法については減塩食を行いますが、血圧・むくみをコントロールできない場合には、降圧薬や利尿薬などを服用します。




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