くすりの服用法

使用法を読んでただしく服用する

 薬をいつ飲んだらいいのかそれぞれに指示がなされていますが「食間」などは意外とまちがってはいませんか?。食事の最中に飲むことではありません。正しい服用法は以下の通りです。
 【食前・食間・食後の意味】
   食前   食事の30分~1時間前後の空腹時に
   食後   食事の後で30分以内に
   食間   食後2~3時間の空腹時に
   就寝前  寝る直前に
 これらの指示は1日に3回の食事を規則正しく取ることが前提になっています。忙しく、毎朝朝食を取れないでいるとか、昼食を食べそこなったりした場合でも通常の食事の時間をめやすに薬を飲んでおきましょう。
 大抵、食後1日3回の服用を指示しているのは、胃に食べたものが入っていて薬の刺激をやわらげる、食後だと習慣にして忘れにくい、飲む間隔が適当であるなどの理由が考えられます。
 食後に飲んだのでは効果がないものもあります。胃の粘膜を保護するかいようの薬などは食物が多いと効果が期待できません。消化を助ける健胃薬には食前にのまないと効果が無いものもありますのでその場合は食前服用が効果的です。

薬の形状別使用法

▲カプセルや錠剤など
 カプセルの中身をだしたり、錠剤の中身を出すことは禁物。そのままで、コップ1杯の水とのみましょう。水をのむのは流し込むと同時に薬を溶かしてくれるからです。水なしでのむと食道の粘膜にはりついて炎症を起こす可能性があります。
▲液体飲み薬
 何回分もはいったような容器(ビン)には直接口をつけて飲んではいけません。口から容器(ビン)に雑菌が入ってしまいます。
目薬の使用法▲目薬
 目薬の容器は目から2~3センチ程離した状態で2~3滴たらしましょう。容器に涙やまつ毛が触れると容器内が雑菌で汚染されてしまいます。
▲皮膚への塗り薬
 強くこすることは普通はせず、なるべく患部を刺激しないように塗ります。しもやけや手荒れなどはマッサージをかねて強くすり込みましょう。

俗説検証

くすりの飲み方

お茶で薬をのんではダメ?

 よくお茶で薬を飲んではいけないといいますが、本当なのでしょうか?。これは錠剤に限っていえることですが、薬の成分である鉄分がお茶に含まれるタンニンと反応して化合物を作り、薬の効果がなくなるので、という理由です。しかし、これも最近の研究で薬の効果にはほとんど影響しないことが解っていますので、俗説といえるでしょう。
 ただし、例外もあります。胃腸薬に使われている消化酵素剤の酵素は高温に弱く、効果を損なうものもあります。そういう場合もありますので、あついお茶で薬を飲むのは避けるべきと言えるでしょう。

抗生物質は牛乳やジュースでのんではいけない?

 テトラサイクリン系の抗生物質はカルシウムやマグネシウム、鉄分などにより吸収されにくくなりますのでそれらが含まれた薬剤とは処方することをさけられています。牛乳にはカルシウムが豊富なのでテトラサイクリン系の抗生物質とは一緒に飲むことは避けましょう。また、よく使われるペニシリンやエリスロマイシン系の抗生物質は酸性の飲み物と一緒に飲むと分解されるので避けるようにしましょう。

かみくだくと効かない?

 胃ではなく、小腸に入ってから溶けるようにコーティングしてある薬が有ります。消炎酵素剤や便秘薬などがそうで、かみくだいてのむと胃の中で作用し胃を刺激したり、分解されて効果がなくなってしまいますので薬はかまずに飲んで下さい。

オブラートに包まないほうがいい薬

 飲みやすいカプセル薬や糖衣錠がふえてオブラートに包むこともそれほどありませんが、苦い薬などはやっぱりオブラートに包むとよいでしょう。しかし、中にはオブラートによって効果を充分発揮できないものも有ります。苦みのある健胃薬は生薬の苦みによって反射的に胃液の分泌を促すからです。
くすりの保管

薬の保管は慎重に

 高温・高湿度・日光などで変質してしまう薬はなるべく涼しく、乾燥し、直射日光があたらない部屋で保管しましょう。しかし冷蔵庫などは、取り出したら水滴が付着して変質するおそれがありますので避けましょう。目薬は光変質しやすいので濃いめの色の袋にいれます。



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