子どものストレスへの対応

医者

子どものストレス

 ストレスというと大人の問題と考えられがちですが、子どもにもあり、それが増えているという憂慮すべき現実があります。子どもといっても、乳幼児から思春期まで幅がありますが、ここでは小学生を中心に考えたいと思います。

学校でのストレス

 子どもにとって学校生活が占める比重は、大人の職業生活以上に大きいといってよいかもしれません。小学校では、担任教師との相性や友達との関係の善しあしが、小学校生活全体を楽しいものにも辛いものにもするのです。I子供ストレス1辛い学校生活の代表は、いじめにあっているうえに、担任教師にも無視されていたり、成績が悪いことで教師にも級友にも馬鹿にされたりすることでしょう。子どもにとって学枚生活で大事なことは、仲間や先生に認められることと受け入れられることですから、それがない場合には強いストレスとなるわけです。

家庭でのストレス

 家庭では親兄弟に愛され、ありのままの自分自身をさらけ出しても、よほどのことをしない限り、受け入れられるという安心感が得られていることが大切です。これは乳幼児期ほど重要で、それがないとストレスに留まらず、大人になってから、人間関係が円滑にできず、正常な社会生活を営めなくなってしまいます。現実には、親は愛していても、勉強や習い事の強制や兄弟や級友との比較などをしがちで、子どもから最も安心な居場所を家庭から奪い、強いストレスを与えることになります。また、子どもにとって、家庭を安心な居場所にする前提条件は両親などの不和のないことですが、その条件を欠く家庭が多くなっていることが、子どものストレスを増しているのです。

子どものストレス反応

 子どもがストレスを受けると、苦しさを言葉では表現できず、身体にストレートに出るタイプの反応を示しやすいのです。例えば、嘔吐、腹痛、下痢、頭痛、夜尿、喘息、過換気症候群など、いわゆる、心身症の症状です。そのほか、爪かみ、吃音、チックなどもみられます。
最近では、大人の心身症である胃潰瘍や高血圧もみられるようになって話題になっています。
 次に多いのが行動面に現れる異常で、不登校、特定の場面でおしだまる、家庭内での反抗や暴力、学校、の授業妨害、さらには,盗みやたかりなどの非行です。
 子どもにはうつ病は少ないとされていましたが、大人と形は違ってもある、という見方が有力で、実際ショッキングな自殺の報道はあとを絶ちません。最も悲惨なストレス反応といえます。I子供ストレス2

どのように対応したらよいか

 まず、家庭のストレス因子を除き、学枚など外で避けられないストレスを家庭で発散できるようにすることです。親と何でも話せる雰囲気を日頃から努めて作ることです。家族旅行は役立つので、できるだけしたいものです。友達とスポーツや遊びができると最高の対処法になります。
 先に挙げた身体症状が出た場合も、ただ身体の病気と断定せず、ストレスによる可能性を考えて、児童相談所や精神科に早めに相談することが必要です。治療には本人だけでなく、家族も一緒に参加したほうが効率的な場合が多いのです。




inserted by FC2 system