小・中学生をも襲う突然死

対策は早いにこしたことはない

 突然死というのは、なにも大人だけの病気ではありません。元気に通学していた子供が・通学途中や学校で、突然倒れるといった死亡事故が相次ぎ、新聞紙上を賑わしています。日本学校安全会が、学童を襲うこの突然死を集計し、その恐ろしさを警告しています。
 同会が出版した『小・中学校死亡事故事例集』によりますと、集計した5年間で、小学生611件、中学生403件もの死亡事故が集録されています。
 小学生についてみますと、最も多いのが通学途中の交通事故死(262件)で、次に多いのがこの突然死の127件なのです。通学中を除いた学校管理下での小学生の死亡は、調査した5年間に241件で、そのうちいちばん多いのが突然死の121件ということです。
 中学生では、403件の死亡事故のうち、突然死が147件でトップでした。次に多いのが自転車利用中の自動車との接触事故(79件)と報告されています。学校生活管理下に起こつた死亡件数をみますと241件であり、このうち大部分が、やはり突然死の134件となっています。 

学校だからといって安心できない

 これらのことをまとめてみますと、学枚の管理下での死亡事故のうち、突然死は、小学生が50.2%、中学生がさらに高くて55.6%にもなります。つまり、学校で亡くなる学童のうち二人に一人は突然死ということになります。これを発生率に直してみますと、学童10万人につき五年間で小学生では222人、中学生では5.0人が突然死することになります。
 通学途中の事故にあうことなく無事学校に着いたからといって安心してはいられません。突然死はいつでも、どこでも襲ってくるのです。突然死の真因は、今日の医学でも解明されていないのです。学童たちの心臓健診による突然死の予防対策が急がれるところです。
 では、学童たちの突然死がどのような時に起こつているのかをみてみましょう。小学生では、日常的な動作中が38.6%です。運動の最中が61.4%となり、この内訳は陸上の運動中が33.8%であり、水泳中が27.6%になっています。
 これが、中学生となると、運動中の突然死が71.4%にもなり、小学生と比較すると10%も多くなり、運動量の増加に伴って死亡率が増加することが示唆されます。中学生では陸上の運動による場合が57.8%、水泳中が13.6%で、陸上の運動中に起こる突然死が主流をなすようになります。



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