食品添加物とアスピリン喘息

思わぬところにアレルゲンが存在

 最近のストレス社会では、蕁麻疹や喘息などのアレルギー性の病気が急増しています。ある証券会社に赴任してきたA氏(32歳)も喘息発作のときにはしばしば当院にも足を運んでいただいていました。A氏の場合もそうですが、喘息の患者さんには全員アレルギーの原因を調べるアレルゲン検査を行っています。A氏の検査結果を見ますと、検索した範囲ではすべて陰性で、原因の特定には至っていません。
 ところが、先日A氏が風邪症状で受診したとき、気になることを訴えたのです。「こちらにうかがう前に、近くの薬局で薬を買って飲んだところ、急に喘息発作が起きて苦しかったんですよ」と。A氏はまさに、アスピリン過敏症、いわゆるアスピリン喘息の特主だつたのです。
 アスピリンは真の意味でアレルゲンではありませんが、その作用機序を見るとアラキドン酸代謝に働き、サイクロオキシゲナーゼという酵素を抑制し、プロスタグランジン系の生成を抑えます。
 一方、5-リボキシゲナーゼには作用しないので、喘息の誘発物質であるロイコトリエン系の生成は抑制されず、そのために発作が起きるとされています。
 アスピリン過敏症の誘発物質として、解熱鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症剤)があげられ、アスピリン、インドメタシン、イブプロフエン、アミノピリンなどが特に強い反応を示します。また、注射薬の無痛化剤として使用されるベンジルアルコールも誘発物質であることが強く疑われます。

食品添加物にも要注意

 ここで注意を要するのは、食品添加物です。食品には、乳化剤や凝固剤、合成保存剤、殺菌剤、酸化防止剤、調味料、甘味料、合成着色料、漂白剤など多数の物質が添加されており、吟味する必要があります。
 中でも、合成着色料の食用黄色4号(タートラジン)と防腐剤の安息香酸ナトリウムは、アスピリン過敏症の誘発物質であることが確立されています。黄色4号は、チョコレート色、コーヒー色、ココア色、金茶色、ひき茶色、あづき色、たまご色、オレンジ色、トマト色、メロン色などに配合されていて、その配合比も高いのです。
 日本における内服負荷試験の結果では、タートラジンで40%、アスピリン内服で100%、同吸入では73%が陽性を示しています。次に、誘発物質であることが強く疑われるものに前述のベンジルアルコール (食品の香料)、パラベン類(保存料)、黄色4号以外のクール系アゾ色素(食用黄色5号、赤色2号、赤色102号)があります。
 また、自然界の植物(きゅうりなど) に含まれるサリチル酸化合物も誘発物質の可能性があり、アスピリン過敏症の人は避けるべきです。





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