ミネラルについて

欠乏症と過剰摂取の予防

欠乏症と過剰摂取の予防

欠乏症と過剰摂取の予防 日常的にミネラルという言葉は使われていますが、栄養素としてのミネラルは日常的にも非常にあいまいに使われています。
 私たちの体の90%は酸素・炭素・水素・窒素の4つの元素でできていますが、ミネラルはこの4つの元素以外の元素の総称です。
 該当する元素は100種類以上あり、このうち人体に必要なミネラルを必須ミネラル (27種類) と呼びます。
 必頻ミネラルは人体に含まれる量によって7種類の主要ミネラル (カルシウムやマグネシウムのように人体に比較的多量に存在するもの)と、20種類の微量ミネラル (10g以下のきわめて少ないもの) に分けることができます。
 ミネラルは食事からとるほか、サプリメントや点滴にも使用されていますから、摂取するとしたらどのくらいの量をとるのがよいのか、どのくらいとるとリスクが高くなるのか、ある程度の基準を示すことが必要になつてきました。「許容上限摂取量」が定められたのは、過剰摂取による健康障害を予防することが強く意識されているからです。
 ミネラルは生体にとって不可欠な物質ですが、過剰に摂ると今度は逆に中毒を起こす両刃の剣といえる性質なのです。
 ミネラルの生理作用には特有のものがあり、ホルモン、酵素、ビタミンなど生体にとって重要な役割をしている物質の構成成分になっているものが多く、又、代謝を調整する働きもしています。中には抗酸化作用があるものもあり、がん抑制に効果があると注目されています。

一つのミネラルの過剰摂取は危険

 最近、ミネラルについての関心が高まっていますが、ミネラルの摂取で重要なのは相互のバランスです。体内のミネラルの存在比はおおよそ決まっていますから、存在比が変化すると異常が起こります。特に微量にしか存在しないミネラルは、それが過剰に入ってくると比率の変化に大きく響くため、異常を起こしやすいのです。一つのミネラルの不足や過剰は他のミネラルにも深刻な影響を与え、カルシウムとマグネシウム、亜鉛と銅などは密接にかかわっています。
 カルシウムは骨組髭症との関係で積極的な摂取がいわれていますが、成人女性の栄養拝取量600mgとわずかに不足しています。カルシウムとマグネシウムのかかわりについては骨組髭症の予防でカルシウムだけをとればいいというわけではなく、他のミネラル、特にマグネシウムの摂取を心がける必要があります。
 カルシウムとマグネシウムは骨の中に40対1の割合で存在し、骨を丈夫に保つためにはカルシウムの充分な摂取はもちろんですが、それを支える微量のマグネシウムが欠かせないのです。
必須ミネラル表

日本食を食べる

 普段の食生活の中でミネラルをバランスよく摂取するためには、どんな食事をすればよいかというと、日本食を食べます。ミネラルをバランスよく含んでいて優れており、現在の日本人の食生活では普通の食事をしていればほとんどのミネラル所要量は満たされるのです。ミネラルは野菜、穀類、豆類、海藻などに多く含むので、日本食が一番なのです。
 最近は、日本型の食事を三食規則正しくとっていない人も多く、加工食品や外食を利用する割合が高かったり、極端な食事制限をしたりするとミネラル不足になる可能性が高くなります。ですから、こんな時代だからこそ、日本食を中心とした三食規則正しい食生活をおくりたいものです。

ミネラルを多く含む食品


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