アトピー性皮膚炎 新療法

(アトビー性皮膚炎の症状)

 生れて間もなく、顔や肘の内側、膝のうらが赤くなり、かゆがる。カユミのため夜も眠れないため、機嫌が悪い。この様な湿疹をアトビー性皮膚炎と言っている。

1 「アトビー治療の現状と問題点」

 当クリニックでは、10年前から、アトビー性皮膚炎並にステロイド軟膏の副作用であるステロイド皮膚症の患者さんだけを専門にレーザーで治療して来た。
 皮膚科に行けば、ステロイド軟膏をつけなさいと云われる。確かによく効く軟膏であるが、注意しないとこれを繰返す様になる。
 学童期までこの症状が軽くなれば良いが、一部の人は繰返しつけている中に、皮膚の色が褐色から段々黒くなり、頑固なカユミが、副作用として慢性の経過をとり、大部分は皮膚科で云う成人型のアトビー性皮膚炎に移行する。これは殆どがステロイドの副作用であるステロイド皮膚症である。
(問題点) マスコミの中で「ステロイド軟膏を正しく使えば副作用はない」と言っている一部学者の言葉は、多くの患者の経験から云っても少しあやしい。特にステロイド軟膏を途中でやめるとリバウンドが来るとおどかし、不安におとし入れている一部大学教授並に某有力紙の説は、要注意である。
 エイズ某害で非加熱製剤が問題であったと同じ誤ちをくりかえしていると警告したい。ステロイド軟膏を連用すれば、副作用が出てくることが、はっきりしているのに、大部分の大病院で、ステロイド軟膏だけを連用し、成人型アトビー性皮膚炎の人達がその副作用に今でも苦しんでいる。
 現在エイズの薬害と同じことを、ステロイド禍でもくりかえしていることに為政者も、学会も、気付く必要がある。

2 「ステロイドを使わないアトビー治療」

 アトビー治療で10年来の専門外来の結果ステロイド軟膏の副作用が非常に多くなっている反省から、私はステロイド軟膏を使わないアトビー治療法はないものかと種々工夫した結果、ステロイド軟膏を使わない次の4つの療法を立体的に行なうことで、リバウンドの心配もなく、重症のアトビーもステロイド皮膚症も治療出来るようになった。
1) ホット・シャワー療法
 2年前、自分のステロイド皮膚症の体験から、ホット・シャワーで痒みがとまることが判った。入浴時40℃~42℃のホット・シャワーを患部に順序に使用することにより、カユミが消え、かさぶたも落ち易くなる。このことは今までの皮膚科の常識と全く違うこと。
2) 「ウーロン茶沐浴」(カテキン療法)
 リバウンドの来ない方法として、一部大学では民間療法として、軽べつされているが、私は平成5年10月以降、ステロイド軟膏を完全に回避する目的で、使用した結果、アトビーの発疹並にカユミを確実に治療出来る様になった。(1月3~4回沐浴)
 これは今後カテキン療法として多くの皮膚科で追試して良い結果を得られるものと確信している。
3) 炭酸ガスレーザーのソフト使用
 アトビー並にステロイド皮膚症の止痒、消炎効果があることは、他大学の成績でも、明らかに証明されている。
4) 行動医学
 特別の例外を除き、「早ね、早起」「偏食のない食事」 へと問題点の改善により自律神経の安定をもたらす。自立のしつけを幼時より、(行動育児学)を基本に確実に行う。
 以上4つの療法を立体的に行なうことで、重度のアトビーも、ステロイド皮膚症も、治療出来る様になったことは、多くのアトビーの患者さんのためにも、自信をもってすすめたい。
 今までの皮膚科の常識では、考えられない所があると思われますが、これらの概要については、現代書林より「アトビーのホット・シャワー療法」として出版する所まで来ています。決して民間療法と言われるものでなく、100%近くカユミがとれることを確信しています。

ホット・シヤワー療法の要点
  1) ホットシャワーの湿度は40℃~42℃。人により多少異なることがある。
  2) ウーロン茶沐浴と組み合わせてやることで、リバウンドも防げる。
  3) シャワーは患部毎に順序よくカユミがとれる所までやり、とれたら次に移る。
  4) 乳児や小さい子供で、シャワーをいやがる場合は、390~40℃位のお湯でしぽったタオルを局所にあててやる。いやがらない程度に!
(医)栄福会 クリニック・フクイM.D 福井 安彦




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